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■技術とノウハウの交流、発表
K: 松下さんには、私たちのクライアントである産婦人科病院の分娩室の照明などもデザインしていただきました。病院で言えば、受付の方が非常ににこやかに迎えてくださる雰囲気を感じるところとそうでないところがありますが、やはり照度や陰も関係している気がします。
M: そうですね。先日、お仕事させていただいた不妊治療クリニックの場合、レフ板(反射板)のように、人物に下から光が当たるようにしました。自然界にない下からの光によって、非日常的で感動的なシーンを演出しました。
照明が持つ力は本当に大きいですね。音と似ていると思いますよ。形がなくて、受け止める人の感受性に左右される。だからこそ、そこに目に見えないモノをプラスできるおもしろさがある。光が横糸で、音楽が縦糸だとすると、双方を織り上げることでようやく目に見える綺麗な1つの布ができあがるように感じます。
K: 私たちがBSSという分娩室のシステムを作って10年になりますが、最初は松下さんからアドバイスいただきました。光と音が織り上げるコラボレーションによって、陣痛の緩和や産後のケアに効果的なシステムになりました。さまざまな苦労もしましたが、ドクターや助産師さんからも評価をいただけるようになりました。
今回、松下さんが副実行委員長をなさっている照明の国際会議で、BSSに関する講演をする機会をいただきました。
M: 「第1回 白色LEDと固体照明国際会議(2007.11)」は初めて日本で開かれる会議です。白色LED照明が実用器具としてどのように使われていくのかを、さまざまな人が論文発表します。青色発光ダイオード発明者の中村修二先生(カリフォルニア大教授)が基調講演を行います。亀山さんにも、メディカル部門で発表をお願いしています。
K: 会場は男性技術者ばかりのようですが、発表を通じて安らぎをお届けできるといいですね(笑)。
M: 照明は21世紀になってデジタル化したことで、今までリンクできなかったものがリンクできるようになりました。どんな人でもデザインできるようになったことで、デザインがますます重要になって来ました。光は混ぜるとどんどん明るくなるので、これから照明デザインに携わる人には、色を使うことの難しさを知って欲しいと思います。
K: 最後に、今後の抱負をお聞きします。
M: 毎日夢を見ています(笑)。先のことをあまり考えられないんです。先のことを考えるとあまりにも毎日が早いので、今日をどう生きるかを最大のテーマにしています。今日した仕事が時間に見合って、楽しくできたかが私の評価なので、その積み重ねが1週間であり、1ヶ月、1年です。そして、1年を振り返ったときに成果として出たものが次に活かされます。そのことによって、1日がゆっくり過ぎるようになりました。
K: 今後も、デザイナーとして、経営者として、指導者としてのご活躍をお祈りしています。楽しい時間をありがとうございました。
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